柏人城遺跡で大量の遺構と遺物が出土 河北省邢台市
ソース:新華社作者: 2023-12-01 10:51
柏人城遺跡の第4次発掘現場。(資料写真、小型無人機から、隆尭=新華社配信/成梅)
中国河北省邢台(けいだい)市隆尭(りゅうぎょう)県にある戦国時代趙国の城郭都市跡、柏人城遺跡では、3カ月余り続いた第4次発掘が終盤を迎え、整理と総括の段階に入った。今回の発掘は面積約400平方メートル、深さ2~5メートルに及び、版築(はんちく、突き固めた土)や灰坑、家屋跡、井戸、窯炉などの遺構200点余りを発見したほか、大量の土器・陶器と製陶道具が出土し、両漢時代(前漢・後漢)の製陶業や柏人城の都市配置を知る新たな手がかりが得られた。
柏人城は国内でも保存状態の良い大型都市遺跡の一つで、高さ6~7メートル、全長約8千メートルの城壁が残る、占有面積は約4平方キロに及び、2013年に第7次全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財)に指定されている。16年と18年、22年に文化財部門が発掘作業を実施。中国人民大学歴史学院と河北省文物考古研究院、邢台市文物保護センターからなる考古学チームが今年8月中旬から4回目の発掘調査を行っていた。
今回の発掘場所は隆尭県双碑郷にあり、22年の発掘エリアに隣接している。発掘の責任者を務める中国人民大学考古文博学部の李梅田(り・ばいでん)主任は「今回出土した遺構や遺物は主に両漢時代のもので、柏人城がこの時代に大いに栄え、人口が多かったことを説明している。戦国時代や唐代以降の遺物も少数ながら見つかっており、遺跡の変遷をより深く、より十分に理解するための実証が得られた」と語った。
発掘作業では罐や盆、豆、壺、瓦など大量の土器・陶器や製陶道具、窯炉などが出土し、城内で重要な土器・陶器の制作エリアだったことを物語っている。22年に見つかった大規模な版築の東側では延長部分も見つかり、発掘の結果、大規模な建築基礎であることが確認された。主体建築は横幅約20メートル、奥行き約15メートルで、重要な都市機能区域だったことを示している。
李氏は「遺跡の地層堆積状況から見て柏人城の使用期間は長く、戦国時代に既に使われ始め、両漢時代に最盛期を迎えた」と説明。今回の発見は柏人城の異なる様相を明らかにし、各時代の変化を生き生きと再現したと述べ、北方地域の先秦~両漢時代の都市生態をさらに研究、議論する上で大きな意義を持つとの考えを示した。
編集:董丽娜
文章と写真の著作権は元の作者に属します。侵害があれば、削除に連絡してください。