裴李岡遺跡で7千年以上前の小口尖底瓶を発見 中国河南省

ソース:新華社作者: 2023-12-26 16:42

裴李岡遺跡で出土した小口尖底瓶。(資料写真、鄭州=新華社配信)

 中国河南省洛陽市で20、21両日開かれた2023年度の河南考古学成果交流会で、新鄭市にある新石器時代の裴李岡(はいりこう)遺跡の墓から7千年以上前の小口尖底瓶が新たに見つかったことが明らかにされた。

 小口尖底瓶は新石器時代仰韶(ぎょうしょう)文化の代表的な器物の一つで、住居跡や灰坑、墓から出土している。用途については水汲みや酒の醸造、葬具など幾つかの見解がある。

 中国社会科学院考古研究所の李永強(り・えいきょう)副研究員によると、今回見つかった小口尖底瓶の推定年代は約7700年前で、長さ約10センチ余りと仰韶文化期の小口尖底瓶よりはるかに小さい。

 李氏は「今回の小口尖底瓶は、裴李岡文化と仰韶文化の起源の関係性を探る上で新たな重要実物証拠になる」とし、裴李岡文化の人たちが紅麹(べにこうじ)菌を使って酒を醸造していたことを考えると、今回の小口尖底瓶は麹造りのための容器だった可能性があると指摘した。

 遺跡からは後期旧石器時代の石器やダチョウの卵殻片、赤鉄鉱の破片なども大量に出土。後期旧石器時代の中原地域(黄河中下流の平原地帯)の社会の様相、旧石器時代から新石器時代への移行など重要課題の研究に新たな資料をもたらした。

 裴李岡遺跡は、新鄭市北西部に位置する約8千~7600年前の典型的な農耕集落遺跡で、面積は5~6万平方メートル。中国の農耕文明の発祥地とされている。

編集:董丽娜

文章と写真の著作権は元の作者に属します。侵害があれば、削除に連絡してください。